的山大島のこと⑦ここだ! 母の生家のある路地に入ると女性に案内される前にすぐにわかった。 家は確かに変わってしまっていたが、道の突き当りにあるのだ。 そして、左右の風景があのときを思い出させた。 あのときのままだ。懐かしい想いが胸にこみ上げる。 母は喜んでくれているだろうか。...
的山大島のこと⑥さて、母の生家探しを始めることにした。 町を見学中、この辺は見覚えがあると思った所は幾つかあったがはっきりはしない。 何しろ子供の頃に1度しか来たことがない場所だ。自信はあったのだが、やはり40年近く経ってしまうと記憶は曖昧になるのか・・・。...
的山大島のこと⑤的山大島は素晴らしいところだった。島のいたるところに棚田が広がっていて、真っ青な空の下、風に吹かれて緑の稲がキラキラと揺れている。棚田越しに海も見える。放し飼いのヤギや牛もいる。このような自然の中にいると、不安も安心も過去も未来もなく、ただ今を感じるだけだ。何の考えも頭に浮...
的山大島のこと④レンタルサイクルの男性は、連れをみるなり、あれ、お二人だったんだねと言った。 JAのことに気をとられて借りる人数を伝え忘れていた。 「そうかあ、どのくらい回るつもり?」 「まずは神浦の方に行って、そのあと島をぐるっと回れればいいかと思ってますが」と答えると、では最初に神浦の...