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ウラジオストクのこと⑬

さて次は市場に行くことにしていた。

ウラジオストクには市場がいくつかあり、生活の為に日常的に使われているようだ。

その中でも一番規模の大きいキタイスキー市場というのがあることをインターネットを使って調べていたので、そちらを見学することにした。

駅の方から大きな広場の前を通り市場の方までまっすぐ走るバスに乗ると、道を曲がるあたりで路面電車が走っているのが見えてくる。

大きく開け賑やかなところなので一瞬目的の市場と思ったが、グーグルマップで見る限り、目的の市場はもう少し先だ。そこでは降りずにほんの少し乗り続けると次第に店がなくなり、降りそこなったかと思った時に、また左手に市場らしい雰囲気の場所が見えたので、そこで降りた。

バス停は市場の向かい側だったので、信号があるのかないのかわからない広めの通りを車に気を付けながら渡ると路面電車の線路があり、その線路を渡ると市場であった。

日本でよく線路に入って怒られている人達がいるが、ウラジオストクでは線路に入らないと目的地にいけないところが多いのか列車に乗っているときも、線路を歩いている人達をよく見た。ウラジオストク駅の近くでも、線路の上を渡っていいように階段がついていて、何本も敷かれた線路内に立ち入れるようにもなっていた。

どうしても線路に入りたい人はウラジオストクへ来ればいいじゃないかなどと変なことを思う。

もしかしたらここでも線路に入るのは禁止で、勝手に入っていたのかもしれないが、その市場の前はどうやっても線路を渡る必要があった。

市場は、ブルーシートで覆われた衣服類を売っているところと、簡素なコンクリートの建物の中にパーテーションで仕切れた小さな店が沢山入っているところ、また、平屋の連棟が続く主に食品を扱っている小さなお店が集まっているところなど、いくつかのグループに分かれていれ、それが一体となり一つの大きな市場となっている。

ロシアなのだが、アジア系の店主もいっぱいいる。というか、ブルーシートの中はほぼアジア系の人達が商売をしていた。ロシアといえども、ここは極東でアジアとの深いつながりがあるのだなと思う。

市場は巨大で、歩いていたらどこにいるのか全くわからなくなってしまうが、その迷路のような所をおおいに楽しんだ。

つづく

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