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シェムリアップのこと⑥

空港に迎えに来てくれた時と同じドライバーさんのトゥクトゥクに乗ってアンコール遺跡群を巡ることになった。とにかくアンコール遺跡群は広範囲にある。ときどき自転車に乗って自力で巡っている人達をみたが、湿度と熱がまとわりつくなか車輪を漕ぐのは大変そうだった。その人達を追い越し風を全身に受けてトゥクトゥクに乗っているのは楽しかった。たとえその風が暑く、沢山の砂埃が混じっていてもである。

遺跡は沢山あって一日で巡る予定だったが、あまりの暑さに中年の私達の体は耐えられず、アンコール遺跡群がアンコール遺跡群と呼ばれる一番の理由のアンコールワットを見る事が出来ず帰ってきた。

改めて半日のツアーを組んで次の日またドライバーさんに来てもらい出発することになった。

前日遺跡をみた印象は確かにすごいが、絶対に来た方がいいと皆に勧める程かなと思ったが、アンコールワットに来て皆がここにこぞって集まってくる理由がわかった。

とにかく規模がすごい、建物の前庭からしてまず広いのだ。その周りには更に堀がある。

正面に立つとその大きさに圧倒される。人間というものは大きいものを見るとなぜだか畏怖の念を持つ。アンコールワットは人が作り上げたものだが巨大なものであるため、圧倒される自然を見た時に得る理解しがたい驚異の様なものを感じるのだ。そしてひれ伏すのである。

このように当時の人々も大きなものの力の下に統制されていたに違いない。

中に入ってからも、良く見ると建物の全てに細かい装飾がされ、宗教的な意味があるような神秘的な場所もあり、ぐるっと見て回っても飽きなかった。

前日まではもう遺跡は十分みたしここに足を運ばなくてももういいかなと思ってしまっていたが、本当に来て良かった。シェムリアップにきてアンコールワットに行かない人もなかろうに、これもアンコールワットのお導きかもしれないなどとバカなことを考えてホテルまで帰ったのであった。


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