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ウラジオストクのこと⑦

フロントガラスに大きな石でも当たったのか、放射線状にかなり派手にヒビが入っているバスに乗り込む。

車内は古くシートも汚れているが座り心地はそう悪くはない。冷房は効いていないが、外気温が高くないので暑くはなかった。チケット購入のやり取りで満席になるのかと思っていた客席は埋まることなく予定時刻の3分後に出発した。

市街地を出ると、アルチョームからウスリースクまでは、ただただ森だったり野っぱらだったりするところを走る。ときどき途中駅らしきところで停まり降りていく客がある。

また停まったと思ったら、今度は運転手が降りていく。何かと思ったらガソリンを入れてもらっているようだ。日本で長距離バスに乗ったときにガソリンを入れる様子は見たことがなかったので不思議な感じがした。

そこからまた走り始めると、道路のきわまであった木々が少なくなり視界が開けてきた。草原だ。ずっとずっと遠くの方まで草原が続いている。広大なロシアの大地を感じる瞬間である。

2時間くらいでようやくウスリースクのバスターミナルに到着した。

こちらはアルチョームのバスターミナルより少し大きく2階建てで、建物の中にはコーヒーショップやお土産屋のようなものもある。バスターミナルの周りもお店が連なっており賑やかである。

この周辺を散策してみたかったが、列車の出発時間がはっきりしないので、とりいそぎ列車の駅まで向かおうということにして、グーグルマップを開いた。

つづく

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